パテックフィリップ ノーチラスは1972年、ジェラルド・ジェンタによりデザインされた、オーデマピゲ ロイヤルオークの登場から4年後の1976年、ジェラルド・ジェンタにより生み出されました。
ロイヤルオークとノーチラスは、現代のラグジュアリースポーツ(薄くてエレガントでありながら、実用性もある時計)の正に“先駆け”であり、現代でも両モデルはラグジュアリースポーツのトップモデルであり続けています。
ジェンタはできるだけ時計を薄くするために、通常のベゼル+ケース+裏蓋の3ピース構造ではなく、ロイヤルオークにおいては8角形のベゼルとケースの間にパッキンを置き、それをホワイトゴールドのビスにより固定する、2ピース構造をとりました。これにより50m防水を獲得します。その後継にあたるノーチラスにおいても2ピース構造をとりますが、ケースとベゼルの“耳”を合わせ、それをビスで固定する方式にて120m防水というロイヤルオークを超える防水性を獲得します。
時を経て、ロイヤルオークに関して言えば、モデルチェンジを繰り返し、また派生モデルである“革新的”なロイヤルオーク オフショアも誕生しました。ノーチラスも2006年に現行モデルにモデルチェンジし、構造は3ピースとなり、スケルトンバックとなります。僕の購入した5712Rは2006に登場した、“プチコンプリケーション”のローズゴールドモデルです。2005年までノーチラスは3針以外のバリエーションはありませんでしたが、初めてのバリエーションモデルがこのプチコンです。
プチコン5712系と3針5711系の主な違いを挙げてみましょう。
プチコンのみ60m防水なのは、裏蓋がねじ込み式ではなく、圧入式のため。これはコンプリケーションモジュールを組み込んでも、なるだけ厚みを抑えるため、とされていますね。ちなみにロイヤルオークエクストラシン15202STは8.1mmです。
さて、前置きはこの位にしておいて、実機をみていきましょう。
八角形のベゼル、“耳”が外観としては特徴的です。サテンとポリッシュを組み合わせる手法はロイヤルオークと似ていますが、ロイヤルオークはエッジが“立っている”ことで直線的なキレのあるデザインですが、こちらは曲線が多いデザインで、女性的な色気を感じます。素材もRGで、よりそれが強調されますね。仕上げはもちろん素晴らしく、特にケースサイドの面取りや曲線のデザインは、思わず見とれてしまいます。8.52mmの薄さは、金無垢でありながら136gと比較的軽量で、装着感の良さにも寄与しています。
エンボス加工の文字盤には、見る角度によってブラウンにもグレーにもみえる放射状の塗装がなされており、非常に美しいです(ステンレス、WG、RGでそれぞれ文字盤の色が異なる)。この文字盤はフュメダイアル(fumeは煙の意味)と言うようで、H.モーザーが有名ですね。パテックフィリップとH.モーザーの文字盤サプライヤーは、同じフルッキガー社であるので、同じ塗装技術が使われているのでしょう。

そして“PATEK PHILIPPE GENEVE”とシンプルな植字。植字も厚みは無いのに、非常に“くっきり”見えます。10時側にはパワーインジケーター、8時側にはムーンフェイズとデイト表示、4時側にはスモールセコンドが配されています。バーインデックスのエッジも立っていて、針と同様に夜光が乗っています。写真では伝え切れないですが、文字盤の美しさは、今まで経験してきた時計の中で一番と言い切れます。サファイアガラスと文字盤の距離が近いから(?)でしょうか、無反射コーティングがされていないにも関わらず、映り込みが少なく、視認性は抜群です。
続きはPart.2にて。
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“【レビュー】パテックフィリップ ノーチラス 5712R-001【Part.1】” への2件のフィードバック
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